読書メモをしておきます.
メモ
CHAPTER1 人が育つトヨタの考え方01 カリスマはいらない。現場の社員がリーダーになれ
- 社員は家族のようなもの.だから長い目で育てる
- トヨタでは、一時の結果だけで判断するのではなく、長期的に社員の能力を育てていく
02 自分の分身をつくれ
- 「人を育てる文化」を継承する
- 「トヨタでは自分の成果も求められますが、同時に『自分の”分身”を何人育てられたか』も評価の物差になっていました」
- 真のリーダーとは部下を伸ばす人
03 設備を新しくするより人をつくるほうが早い
- 成果は機械ではなく人がつくる
- 上司が本気で動けば部下もついてくる
04 「よい品、よい考」が育て方の基本
- 「よい品」は利益を作り、「よい考」は人を作る
- 一人ひとりが意識して考えないと、会社の利益は生まれない.トヨタでは、人を育てる上で、考えること、そして考えさせることを重視する
- 「3行提案制度」で部下に考えさせる.産業提案は創意工夫提案制度の簡易版.三行提案とは「問題」「改善策」「効果」を一行ずつ書くというもの
- 提案する部下、提案を受ける上司も頭を使って、「どうすれば良くなるのか?」を考えるようになった
- 部下にすぐ答えを与えるのではなく考えさせる
05 人を責めるな。しくみを責めろ
- 不良が出るのは上司のやらせ方が悪い
- トヨタには改善のスタート地点となる「標準」がある.
- どんな仕事にも、こうすれば安全にできる、正確にできる、効率的にできるという「標準」がある.しかし「標準」はマニュアルではない.標準は日々進化するものである
- 「5大任務」とは、トヨタの管理者が徹底すべき、仕事の基本
- ①安全、②品質、③生産性、④原価、⑤人材育成
06 人を育てるとは、「モノの見方を伝える」こと
- 重視するのは結果でななくプロセス
- 標準のとおりに行動しないのは必ず理由がある
- 上司「どうしてここに、この部品を置くんだ?」
- 部下「先輩は『標準』を教えてくれたのですが、それよりも手前に部品を於けば手で持ち替えなくて済むからです.このやり方のほうが効率的に作業ができると思います」
- 上司「すごいな.よく気づいたな.たしかにこっちのやり方のほうが良い面もある」
- 部下なりに効率的になると考えて置き場を決めたプロセス自体を褒める.その上で標準通りの場所に部品を置く意味を教えてあげる
- 上司「なぜ先輩は、『標準』の場所に置くように行ったのだろう?きみは生産性だけを考えているような.でも品質の面から考えれば、君の場所に置くと、部品の取り付けるのを忘れてしまう可能性があるだろう.だから、この場所に置くことが『標準』になっているんだよ.でも君の考え方は悪く無いから、生産性も品質も両立するような方法を考えてほしい」
- トヨタでは、どういう思考に基づいて、どういう行動をとったかというプロセス管理が大事にされているのです
07 「できる人」をえこひいきしない
- 機会は平等に与えて評価で差をつける
- トヨタでは他の人よりも生産性が低いからといって見捨てたりしない.柔軟な配置転換をする文化がある
- 上司は、常にアンテナを張っておいて、部下の良い所、得意なものを探す.それが活かされる場を探してあげることも大事
08 評価基準は、成果プラス「人望」
- トヨタの管理職の人事考課要素には「人望」の他に、「課題設定力」「課題遂行力」「組織マネジメント力」「人材活用力」
- もともとトヨタでは「人望」を望むような人材教育をしており、一年目には「挨拶ができているか?」「提出期限は守れているか」「言われたとおりに仕事ができるか」といった人望につながる点が評価対象
- 人望のある上司の例として「自分の責任をわきまえていて、その責任をとることを恐れない人」.最終的には「オヤジ」と思ってもらえるかどうか
CHAPTER2 思考力が育つトヨタの問題解決01 人づくりは、問題解決のプロセスにある
- 問題があることは問題ではない.解決されていないのが問題
- トヨタの問題解決8ステップ
- ①問題の明確化、②現状把握、③目標設定、④要因解析、⑤対策立案、⑥対策実施、⑦効果の確認・評価、⑧標準化
02 きづく うずく ねづく
- トヨタの現場力の強さは「きづく→うずく→ねづく」
- きづく;問題に気づくこと.現場の見える化.
- うずく;顕在化した問題を改善する
- ねづく;改善した結果、その状態が定着し、現場の管理がレベルアップする
- 「あるべき姿」と「現状」のギャップが問題.問題解決における「問題」とは「あるべき姿」と「現状」のギャップ
- 「あるべき姿」を示すのが上司の仕事
03 まずは「片付け」からはじめる04 「原因」探すな.「真因」を探せ
- 気づきを与える「なんでも提案」
- 片付けをすることで、改善すべき問題点が浮かび上がってくる
- 「なぜなぜ」を五回繰り返す
- 「その原因に手を打てば、問題が解決され、同じ成果を上げ続けられる」というところまで、「なぜ」を繰り返す
- 「なぜ問題が起きたか」を考えさせるのが上司の仕事
- 上司は部下に対して、「なぜ?」と問いかけて神韻を考えさせることで、成長を促すことができる
05 「2う上の目線」でリーダを育てなさい
- 研修は2つ上の職制が行う.理屈ではなく、実際にどのようにリーダシップをとるかを実践的に学べる
- 現在の立場より上の目線で見ることを学べる
- 「発生型問題解決」と「設定型問題解決」
- 「発生型問題解決」;何らかの原因があり目標に達していない.ゼロの状態に戻すことが求められる
- 「設定型問題解決」;現状は目標通りに進んでいるが、さらに目標水準を上げた結果、新たなギャップが生じている状態
- 研修は「学ぶ場」ではなく「確認の場」
- 日常的にやっていることを確認するだけ
06 部下を困らせなさい
- 人間の知恵には限界がない;限界を超えるためには、レベルを超えた課題設定が必要
- 二律背反の克服という高い目標を与える
- 例えば、コストを下げながら品質も上げる
- アドバイスを与えるタイミングも重要.部下が本気で悩んだり、たんらかの気づきを得たタイミングで声をかけることが重要
- 考えさせてもなかなかアイディアが出てこなくて動けない部下もいる.本気で悩んでいる部下には「後工程の○○君のところに行って相談してみたら?」ヒントを与える
- 大切なのは「こうしなさい」ではなくヒントを与えること
- 「悩む力」を鍛える
- とことん困れば、何らかの知恵が出てくる.困り方が少ないと、これまでの知識や経験(悪知恵)といったものが邪魔して思考停止する
CHAPTER3 やる気が育つトヨタの教え方01 「答え」を教えるな「目的」を教えろ02 面倒な部下から育てなさい
- 言われたとおりにやるな.文句を言ってこい
- 指示待ち部下になってしまうのは、上司にも責任の一端がある
- 上司がいなくても、自分で答えを出せる部下を育てるには、部下が自らの問題として捉え考えなければならない
- 答えを与えてはいけない.目的をはっきりさせることが重要
- 深から相談された時は、すぐに答えを与えずに「目的」をはっきりさせることが重要
- 「自分の意見がこうだ」と言える人になってほしい.自分勝手なわがままを言うことではない、勘違いしないでほしい.
- 人間の脳は「問い」を入力されると、自動的に「答え」を出力しようとする
- 「自分で知恵を出し、自分でつくり出す」という意識に変えると、俄然仕事は楽しくなる
- 「決められたことを守る」のではなく、「自分で決めたことを守る」ようにさせると人はついてくる
- 上司は自分なりの答えをもっておく
- 上場企業などの大手企業の指導に訪れると、改革するためのプロジェクトメンバーに選ばれるような人は、学歴が高いエリートが含まれる.彼らは仕事や知識を覚えるスピードは早いけど、応用が利かない傾向にある
- これは自分で考えるというプロセスを踏んでいないので、理屈はわかっていても応用ができない
- 部下に考えさせるだけではなく、上司はそれに対して自分なりの答えを持っていなくてはならない
- トヨタには、実力があるのに埋もれている人を引っ張り上げる上司がいた
- こうしたくせのあるタイプから育てると、組織はどんどん良くなる
- 上司に噛み付いてくるような人は、良い悪いは別にして『信念』を持っている
- 「認める」から始める;孤立したり反発したりするなど問題を抱えている人に対しては、「不平不満を聞くことが大事」
- 上司に意見を言ってくるような人は、SOSを出しているとも言える
03 立場と権力では育たない.「理解・納得」させろ
- 改善は現状を否定するところから始める
- 改善前と改善後の両方の動きをビデオに撮っておき、それを本人に見せると、どれだけ無駄が発生しているのかが客観的にわかる.だれにでもわかる現状を「視える化」することによって初めて理解・納得ができる
- 仕事ができるリーダーは、結果が読める上に、結果にこだわるため、相手を説得しがち
04 「動く」のではなく「働き」なさい
- 「付加価値の源泉は何か」を教える
- トヨタでは「動いてはいるけど、働いていない」という言い方がある.つまりは体は忙しそうに見えるが、価値を生むような作業をしてない
- 「あなたの一番の仕事は何ですか?何をやると付加価値が生まれますか?」
05 やれること、やりたいこと、やってほしいこと
- 理論やデータも大事だが、「現地・現物・現状」を見てから判断したり報告したりする
- 上司は部下のことを知らなければ、マネジメントすることはできない.三現主義は部下の育て方についても言える
- 女性従業員が入ってくることは改善のチャンス
- 大きく環境や人が変わるということは、改善のチャンスでもあり、それを通じて人を育てていくことにもつながる
- 部下がどんな情熱を持っているのか、どんな考えを持って働いているのかを上司は部下と接点を持っておかなければいけない
06 聞く→見る→体験する
- 口頭で知識を教えるだけでは、本当に教えたことにはならない.トヨタには「やってみせ、やらせてみる」という考え方がある
- 実際にやってみると見えてくる事がある.「聞く→見る→体験」ところまでやらないと意味が無い
- 上司は「やり続ける」ことではじめて教えられる.「聞く→見る→体験→やり続ける」
07 「現象」でみるな.「意思」を見ろ
- 「ラインが止まりました」より「ラインを止めました」を評価する
- 現象の良し悪しで叱っていないか?「ラインが止まりました」は意思がない.現象を報告したに過ぎない.
08 会社のメリットだけではなく本人のメリットも伝える
- 「こうしなさい」と言うよりも「楽になる」と気づかせる
- 「自分がメリットを得られる状態になるにはどうしたらいいか?」という発送させることで、今の仕事で感じている不満を解消することが可能になる
- 第二の自分を作れば楽になる.仕事が出来る人は一人で仕事を抱え込みすぎるが、部下を育てることのメリットをつたえる
CHAPTER4 チームが育つトヨタのコミュニケーション01 箒とちりとりを持って現場を歩け
- 「5S」は人づくりの基本でもある
- 日常業務の中でコミュニケーションを図ることは飲みニケーションよりも有効
- 箒とちりとりを持って歩くと自然と部下との接点ができる
02 コミュニケーションは朝取りなさい
- 朝の気分で、一日のモチベーションが決まる
- 現場を見て回るときは、あえて獣道を通る
03 関心を持って期待をかけて対話する
- いきなり困ったことはないかと聞いてはダメ
- 部下の名前を毎朝呼ぶ
04 縦だけでは半人前.「横のつながり」ができて一人前
- インフォーマル(社内団体)活動から人の動かし方を学んでいく
- トヨタでは社内団体活動を通味た横のつながりも同じくらい樹脂される
- 部署横断の場を作る
- トヨタのやり方をそのまま真似する必要はない.大事なことは組織間に横串を刺すこと
05 「どうありたいか」があって、初めて褒められる
- 部下の「どうありたいか」がわからないと褒めようがない
- どうありたいかに合わせて褒めたり叱ったりしないと部下の心には響かない
- 長所を認めるから短所を正すことができる
- あら探しをするより、良い所を探して褒める.そのくらいのほうが、部下との関係はうまくいき、部下もすくすくと育つ
06 ”四季”のある上司になれ
- 見て見ぬふりが一番いけない
- 叱るときは逃げ道を作ってあげる
07 社員のスキルを「視える化」せよ
- 情報をオープンにすることは人参になる.部下をその気にさせるには時には人参をぶら下げる必要がある
- 全員の顔写真は表彰状を張り出してモチベーションアップ
CHAPTER5 リーダーが育つトヨタの現場力01 ナンバーワンを外に出しなさい
- 一番手を外に出さないと、いつまでも次が育たない
- 二番手以降を育てることで一番手も育つ
02 伝え方は変えても方針はブレさせない
- 「こうやりたい」と決めたら、表現を変えて伝え続ける
- キーマンから攻略するのがポイント.キーマンになって貰えそうな人に、集中的にリーダーの思いを伝えることが大事
- 例えば「5Sとは何ですか?」と言った簡単な質問をすると、その人のレベルや仕事に対する考え方がわかる.
- 「5Sについて深い知識を持ったり、その人独自の意見を持っている」ような場合は、キーマン候補となる
03 「目標プラス指針」で管理する.
- トヨタでは「目標管理」に加えて「方針管理」を展開している.企業での目標管理は結果主義であるのに対し、方針管理はコンセンサスや、チームワークを重視する仕組み
- 目標に向かっているなら、部下の好きにさせる
04 リーダーは中心にいてはいけない.外からメンバーを見なさい
- 人の気持ちがわからなければ現場がわからない
- 真ん中にいると、部下の面倒が見きれない
- 「求心力リーダ」ではなく「遠心力リーダ」.人を育てるリーダのあるべき姿は遠心力リーダ
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