孫氏の兵法で「彼を知り己を知れば百戦危うからず」というのがあります。相手を知って己を知る、要は相手の弱みと自分の強みを知って戦うと危なくないよ、という戦略の基本です。
大人になれば、特に社会人になれば「強みを活かす」というのは耳タコ過ぎて、聞きなれていると思います。強みを活かせればそりゃ最強です。
でも大体の場合は弱みや出来ないことに目が行きます。他人から注意されればそこを一生懸命直そうとするし、自分が所属する組織や環境の評価基準があれば、それに合わせようとする。弱みや出来ないことが一定水準以下であれば何も注意されなくなるので、そこで初めて強みを活かそうと転換する傾向にあると思います。(勿論人にもよりますが、似たような気質なのは私だけではないはず)
話は変わりますが、私が小さいころフジテレビか何かの"世界名作劇場"という枠の中で「ポリアンナ物語」というのが放送されていました。主人公のポリアンナは数々の不幸に見舞われますが『いいこと探し』でこれらを乗り越えていきます。
『いいこと探し』というのは、文字通りいいこと・よかったことを探すことです。例えば、ポリアンナが引き取られた家庭と折り合いが悪く、数日間パンを与えられなかったことがありました。でも彼女は「数日間パンを口にしなかったことで、パンをおいしく食べられた」という前向きな態度を取ります。
この『いいこと探し』というのは結構重要な考え方で、これが自然にできることで自分の持ち味というのが見えてくるのだと考えます。どうしても注意されたこと・出来ないことに目が行くと減点評価しがちです。自分で自分を客観的に加点評価して、出来ないことや注意されたことも含めて自分を肯定して、その上で持ち味を活かそうとすると、自分の強みというのが見えてくるのだと思うのでした。
コメント