AIブームが長く続いています。すぐには終わらないだろうと思っていたけど、こんなに続くとは。

私が大学院生のときにニューラルネットで何かオモロイことをしました、という論文が多数出ていました。んで、転職するちょっと前に深層学習の性能が凄い、と話題になって多層ニューラルネットが話題になりました。

そのあと敵対的学習が流行って画像を補完したり無いものを生成したりするのが流行りました。数年前から自然言語モデルが発達してTransFormerやらGPT3やらが流行って、このところChatGPTが話題です。それと同じく、画像を自動生成してくれるAIサービスがかなり話題になりました。

 

AIブームの影響か、私の仕事も変わりました。一応私は研究職であるものの、AIを基礎から研究することはなく、出来合いのモデルを使いまわしたり使いこなしたりが主な仕事です。AIライブラリを使って新しいサービスを展開しています。こういうのは応用研究とでも呼ぶのでしょうか。

 

このAIの発達自体は楽しいのですが、開発に携わる身としては「これって本当に面白いのかな」とか思います。人の成果のおこぼれを利用している感覚が凄まじいです。

一方で科学技術というのは人の成果を利用して何かをするものです。ニュートン力学とか微分積分とか別に自分で一から考えたわけではありません。多かれ少なかれ、他人の成果を利用しているわけです。巨人の肩の上に立つことを嫌がってはだめです。

 

「これって楽しいのか?」と懐疑するものの、ここ最近では『このビックウェーブに乗らないと』という気持ちが湧いています。踊らにゃ損損ということですかね。

昔は凄い人工知能を作って勝負をしていたけど、最近だと人工知能を使いこなす勝負になっています。ますます開発に携わるのは遠ざかるのかもしれません。それでも楽しめるように心の在り方をもっていきます。