プロの課題設定力という書籍を読んだので,メモを残しておきます.この本ってどことなく『イシューからはじめよ』に似ている気がします.

プロの課題設定力

プロの課題設定力

 

 

 紹介していたのはこちらの記事.

toyokeizai.net

 

 

第1章 なぜ今、課題設定力が求められるのか?
課題と問題の違いは?
  • 課題;現状とあるべき姿のギャップを把握した上で,現状を有るべき姿にするためになすべきこと
  • 問題;課題の達成を阻む要因
なので,課題設定とは現状とあるべき姿を正確に把握し,現状を有るべき姿になることを阻む優先順位の高い問題を見極め,現状を有るべき姿に近づける方法を考えること
 
第2章 課題設定の精度を上げる3つの「視方」
課題設定力を高めるためには視座,視野,視点の意識を高める
  • 視座;誰がどんな目的を達成するための課題なのか
  • 視野;どのような広がり(空間軸)と長さ(時間軸)で課題を捉えるのか
  • 視点;どのように課題を切り出すか
視座について
視座を2つ上げる
他人の視座を読み解くプロファイリングシート
  • バックグラウンド[個人の背景]->期待[仕事上の期待 自分への期待]
  • ポディション[役割として取る立場]->目的[仕事上の目的 個人の目的]
「バックグラウンド」「ポディション」
事実情報を確認する
「仕事上の期待」と「自分への期待」
  • 仕事上の期待;「赴任したばかりだから,とにかく成果を出したい」など
  • 自分(仕事をするあなた)への期待;「新鮮な意見を言ってくれるのではないだろうか」など
「目的」=何のためにこの仕事をするのか
  • 仕事上の目的;「シェア奪還のため」「職場の活性化のため」などの比較的わかりやすいもの.「目的」の先に「あるべき姿」が見えてくるはずなので,課題の策定をする上でのスタート地点にもなる
  • 個人の目的;「この領域において第一人者になること」「昇進に向けて実績作り」など
「バックグラウンド」と「ポディション」はそのままで,「期待」と「目的」が変わるのは当然.なので「期待」と「仕事上の目的」は口頭で伝えたり文章化してみせることで依頼者と共有すると良い
 
「バックグラウンド」から「期待」をプロファイルする
プロファイルする上ではNLP(Neuro-Linguistic Programming)が有効
  • 環境--その人が置かれている立場や状況
  • 行動--その人がどういうやり方や成果を好むか等の好むパターン
  • 能力--その人が持っている知識や理解力,実行力などの能力
  • 信念--その人がビジネスに於いて売上至上主義である,結果最優先である,過程重視,などの考え方の中核
自己認識-その人がが自分自身をどのように捉えているか.社内改革を一身に背負うほどの覚悟ができているのかなどの,意識の持ち方
 
バックグラウンドからその人の傾向を分析する
1.プラント(PLANT (PL));創造力があり困難な問題を解決できる人
2.資源探索者(RESOURCE INVESTIGATOR (RI));外交的で熱中しやすく、好機を探る人
3.コーディネーター(CO-ORDINATOR (CD));優れた議事進行者で、明確な目標を示し意思決定を促すことBelbinができる人
4.形づくる人(SHAPER (SH));挑戦的で、精力的に障害に立ち向かっていける人
5.チームワーカー(TEAMWORKER (TW);協調性があり、もめごとを避けるタイプだが、人の話をよく聞き築き上げる人
6.実行者(IMPLEMENTER (IM);有能で頼りがいがあり、アイデアを実行に移せる人
7.補完的完成者(COMPLETER FINISHER (CF);勤勉で誠実な仕事を納期通りに行う人。また自分や他者の誤りや手抜きに厳密な人
8.スペシャリスト(SPECIALIST (SP));特定分野の知識やノウハウをもつエキスパート
9.モニター(MONITOR Evaluator);優れた戦略的判断力持つ人
 
視座の高め方
視座の高い人と話したり,書籍を読んだり
「時間軸」と「空間軸」で捉える
 
視野について
視野を広くし,周囲への影響まで考える
時間軸の視野を広げて課題を捉える
課題の持ち主の視座から時間軸を見る
 
視点について
結局何が一番重要でやるべきことなのか?
行き詰まったときには視点を変える
視点を鋭くするには,まずはフレームワークを使いこなす
「なぜ」「どうして?」を繰り返す
自分で4象限や2軸を設定して考える
チャートや図を書く訓練をする
 
第3章 インプット──情報収集と現状分析
課題設定の3段階 インプット,プロセス,アウトプット
インプットは「聞く」「ぶつける」「計る」
 
聞く
基本はコンサルタント・コーチ型で聞く
停滞している現場ではセラピスト型で聞く.「○○という改善を試してみたんですね.普通にやっても難しいと思いますが,実際どうでした?」などとワンクッションおいて共感する
うまく聞くための3×3マトリクス
  • 対象:「現状」「あるべき姿」「問題」
  • 内容:「感情」「思考」「事実」
  • 明確にするポイント:「省略化されていること」「一般化されていること」「歪曲化されていること」
明確にするポイントの中に「一般化」や「歪曲化」されている事実の中に問題や課題が隠れていることがある.時間の都合があるので,質問には優先順位を決めるべき.優先度が高いものは深堀りして聞くべし
 
ぶつける;ディスカッションペーパなどで仮説をぶつける
早い段階で「ぶつける」ことでインプットの効率化をはかる.ぶつけるときは一堂に介したときにぶつけたり,回覧でぶつけたりする
計る:インプットを公正・正確にする
「社内の数値」を計る
プロセスマップでヒト・モノ・カネを計る
職場環境やカルチャーを計る(モチベーションやモラルなど.心身症の人数を計るなどがある)
 
第4章 プロセス──課題の組み立て
ロジカルシンキングとラテラルシンキングを組み合わせて考える
フレームワークだけに頼ると結論がおなじになりがち
 
第5章 アウトプット──課題として出力する

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課題設定の要素
何を:現状とあるべき姿 目的とゴール
誰が:体制・役割
どうやって:アプローチ・スケジュール・リスクや前提条件
 
現状とあるべき姿について
インプットやプロセスで導き出した「現状とあるべき姿」を書く
関心を引くためにニュース化して書く.ニュース化とは興味を引きそうな完結でわかり易い言葉を選び,やる気を起こさせる伝え方.
 
目的とゴールについて
「あるべき姿」になるためには何を成し遂げるかが「目的」.「目的」をいくつかに小分けしたものが「ゴール」.「現状とあるべき姿」が明確でないと「目的」も「ゴール」もブレる
 
アプローチについて
「ゴール」にたどり着くまでの手順が「アプローチ」
 
スケジュールについて
アプローチを時系列に反映したもの
 
体制・役割について
責任者は誰,実行者は誰などを明らかにする
 
リスク・前提条件について
リスク・前提条件に拒否反応をする人がいるので最後に見せる

 

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 関連しそうなツイートも貼っておきます

 

 

 

 あと,こういう動画も

 

一個一個の作業に分解していくと,大したことはない