もともとは「思考法」みたいな本はあまり読みませんし、余り好きではありません。思考が凝り固まってしまいそうですし、そういうのが身に付きそうに無いからです。何かに熱中しているなかで、自分なりに工夫したり改善したりと目標に向かってアイディアを発想することで「思考法」というのは磨かれると思っています。
とはいえ、図書館に行ったら置いてあって、何となく借りてしまいました。折角なので読んでみて、気になったところをメモしつつ、感想を述べてみたいと思います。
メモ
問題解決には3つのパターンがあり、具体と抽象と「具体と抽象を行き来する」の3つ。具体と抽象を行き来することで根本的な問題解決につながる。例えば、持ち家か賃貸か、という問題に対してはサブスクリプションサービスの利用などほぼ似たような構造の問題もある。また所有から利用へ、という流れをさらにもう一段階抽象化すればフローとストックという概念にあげられる。 抽象化するとは事象の関係性を見ることであり、そのためには事象そのものから離れてそれらを客観視する必要がある。そのためにのプロセスは
まとめて一つにすること。同じ属性を持った者同士をまとめて一つに扱う。「分類」のこと。 一言で言い表すこと。ある目的に合致した特徴のみを抜き出すことなので、ある膨大な資料を短く集約して表現することも抽象化の側面。 線引きすること。「まとめて一つにすること」を別の言い方をすると、「○○以上」と線を引くことになる。 都合の良いように切り取ること。ある目的に合わせて都合の良いように特定の属性だけを切り取る。 目的に合わせること。「一言で表現する」というのは、必ずその場の目的によって異なる。目的を考えるというのは抽象化と表裏一体である。 捨てること。ある目的のために不要なものを捨てる。 言語化・図解にすること。言語化や図解は抽象化の産物である。 自由度を上げること。自由度が上がるということは選択肢を増やすこと。 次元を増やすこと。自由度を別の言い方をすると次元。 見えない線をつなぐこと。事象間の関係を明確にする。 マジックミラーを破ること。抽象化ができていないというのは、抽象度の高い上位の世界が見えていない。 抽象化とはWhyを問うこと。抽象化とは関係性を表現することであり、原因と結果のような因果関係や手段や目的を関係づけるのは「なぜ?」という疑問詞。 全体を俯瞰すること。メタで考える。メタとは対照から離れて眺めること。 具体化のプロセスは
自由度を下げること。選択肢や変数を絞り込んでいくのが具体化。 Howを問うここと。手段から目的を考えるのはWhyで、目的から手段を考えるのがHow。 引かれた線の中を詳細化すること。ひかれた線のグループの中で考える。 数字と固有名詞にすること。 逃げ道をなくすこと。いかようにも解釈できる部分を無くすこと。 違いを明確にすること。
感想
「抽象化」というのは割とするのかな、と思いました。問題を解決するためには、まず似たような事例をお手本にすると思います。似たような事例のエッセンスを取り入れるというのは問題解決の一つの型でしょう。
ただ、どこまで抽象化するかというのはあまり考えたことはないです。少なくとも問題が解決できそうなところまで抽象化はしますが、それ以上は抽象化はしません。もしかして抽象化することで見えてくるものがあるのかもしれませんね。「よくよく考えるとこの仕事は不要だった」というのも早い段階で抽象化の抽象化をすれば気づくことができるのかもしれません。
問題解決の糸口が見えた後でも、もうワンランクくらい抽象化するように心掛けるのが自分への課題です。
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