図書館に行ったら、また興味深い本があったので借りてきました。
この本のタイトルを見たことがあるかと思ったら、下記のものでした。
「ズレた結論を出す人」と出さない人の決定的な差 https://t.co/gknfVewDyi
— SHU10038 (@SHU10038) 2021年9月25日
先日受講した「問題解決研修」に通ずるところがあります.
メモ
スマホで音声入力をしたら簡単に入力できました。
CHAPTER1 何を扱うのか「問題」を考えるLESSON1 あるべき姿、ありたい姿を考える
- 現状をしっかりと押さえる
- あるべき姿(目標)を確認する。ただし具体化、定量化を最初から頑張りすぎない。目標が曖昧なままにすでに始まってしまっていたり、目標はあったがその目標自体がただしいのかわからなかったり、環境が変化して見直しが必要な場合があるため。少し曖昧さがあっても、まずはスタートしてみて、分かってきたことを踏まえて具体化しなおすというプロセスで進められると良い。
- 何をもって問題とするかという定義を決め、判断する。
まとめ
- 「現状」「あるべき姿」「問題の定義」の3つを押さえる
- あるべき姿ではなく、ありたい姿も意識しよう
- 正しい状態に戻すための問題解決(急ぐとこが多い)と、ありたい姿に到達するための問題解決(重要だけど時間の余裕があることが多い)の2つの問題解決を意識しよう
何が正しい状態化を考え続けよう。- ありたい姿へ向けた問題解決により多くの時間を使おう。
LESSON2 何を問題とするかを考える
- 気になる個所を複数ピックアップする。
- 安易に気になる箇所が問題だと思い込み飛びつかないために、まずは複数の問題を候補として挙げることを心掛ける。
- 解決策の具体的なイメージを持つ。具体的にどのような解決策の方向性があり得るのかを考えてみる。
- 最終的にありたい状態を考える。何を問題とするかは最初に決めなければならないことだが、何も情報もない中でどれを問題にするか決めることは大変。そこで思いつく解決策をいくつかイメージして、問題としている事象やその事象に対して、何をするのか取り組む内容が具体化して、「問題の程度」がイメージしやすくなるようにする。
まとめ
- 問題はひとつではなく複数あることを意識しよう
- どこをどう切り取るかで問題は変わる。上位レベルの問題は、「そもそも何が問題なのか」という意識を持つ必要がある。発生している事情だけに引っ張られないように気を付けて、で考えたときにより上位の問題はないかを自問しよう。そして問題の全体を押さえるように努力しよう。
- 全体像を押さえておくことが大事。大切なのは怒っている問題の全体を押さえたうえで、どこを問題として切り出し、対策を打とうとしているのかをしっかりと理解できているか。
- 範囲をどうとるか、時間軸をどうとるかが重要
- 自分の問題がどの範囲を見ての問題なのかをしっかりと意識しよう
LESSON3 本当に起こっているのかを確認する
- 「予兆を拾うこと」と「発生していることの確認」を分けて考える。特にネガティブな声については、一つの事象が全てであるかのように受け止めて、過剰な対策を取りやすい。
- 一件目の情報に敏感になる。平常時を平常時としてしっかり認識し、「いつもと違ったこと」が発生した場合に敏感になる
- 発生していることの認識をきちんとすること。予兆は予兆として大切にするものの、騒ぎすぎてもいけない。だからといって時間をかけすぎてもよくないので、バランスを考えて次のアクションにつなげる。
まとめ
- 予兆と起こっていることは分けて考えよう
- 必要以上に予兆に反応しすぎないように注意しよう
- 必要以上に重く調査をしない
- 調べる数と全体数の総体を踏まえて解釈の程度を考えよう
- 集め方やデータの性質にも意識を向けよう
LESSON4 数字を見る前に考える
- データを見る前にどのようになっているかを先に考えよう。実際の数字を分析する前に、データがどのような状態になる可能性があるかを数字を分析する前に考えるようにしよう。
- 自由な発想ができるときに自由に考えることが重要
- 当てることが目的ではなく、先に考えることでギャップを示唆につなげられる
見えた結果を素直に受け止めることも重要- データから発想することと意思を持ってデータに向き合うことと、両輪のアプローチが大切。データがあればあるだけ、データに引っ張られてしまうという弊害がある。「データから何が言えるのか」、逆に「データから何を拾うのか」両方の視点を意識しながら、数字に向き合うようにしよう。
CHAPTER2 何が見えているのか「事象」を考える
LESSON5 分析を始める前に、一工夫する
- ここでの演習は、月別の売り上げの差を求めたりした。ポイントは「差を計算する」「比率を計算する」。見るべき視点は「一律なのか」「ばらつくのか」「特定の個所に特徴があるのか」
- 分析を始める前にできることはいろいろとある。
- 差、比率を求める、並び替える、グラフにすることを試してみよう。与えられたデータを本格的に分析していく前に、下ごしらえとして、差を計算したり、比率を計算したり、並び替えたりといったちょっとした手間をかけてみよう。
何を対象にするかも大事。関わっている仕事の内容によって、注力しなければならない対象は様々。- 見ないものを決めるということも意識しよう。与えられたデータをすべて分析することは必ずしも得策ではない。根拠を持ってデータを決めるということを意識的にしていかないと、データの量が多くなると対応ができなくなってしまう。
単位当たりの数字にもしてみよう。LESSON6 足し算型で分解する
- ここでの演習は、商品別に分けたり、担当者別に分けたり、時間別に分けたりした。ポイントは「意味のありそうな切り口で分解する」「ほかの切り口で分解する必要はないかを考える」
- 意味がありそうな複数の切り口で分解してみよう。分解することによって、起こっていることが見えてくる。できる範囲で構わないので、まずは事象を分解して何が起こっているのか解像度を上げる。そのうえでなぜそれが起こっているのかを考える。
- 可能性で評価するのであって、見つけることを目的にしない。「切ってみること」と「その結果何が見えるかどうか」はまた別。
- どこで分けるのかを考えなければならないケースもある。分解能のようにどのように分けるかまで考えなければならない切り口があることを覚えておくべき。
- 分解のために取りにいかなければいけない情報もある。分解は大事だが、分解をするための情報をこちらが獲得しなければならないケースがあることを押させておく。
- 足し上げたり、全体を見たりすることも忘れないようにしよう。「シンプソンのパラドクス」のように、全体に注目するか部分に注目するかによって、評価が異なることがある
LESSON7 掛け算型で分解する
- ここでの演習は、前年度と今年度の売り上げの伸び率=前年度と今年度の単価の伸び率×前年度と今年度の客数の伸び率、という分解をした。ポイントは「全体を確認する」「数量(もしくは単価)で割る」
- 単価×数量はシンプルな分解だが示唆はいろいろとえられる
- 先に足し算型で分けたほうがいい場合がある
- 定性的な意味合いも考えてみよう
- 比率や推移も掛け算型の延長
- 連続性の中で利用することでより効果を発揮する
LESSON8 未来の事象を分解する
- ここでの演習は、来年度の売り上げの予測。商品別に分解して年度の伸び率から予測した。主に下記の四つを使って予測した。
- 直感で考える
来年度の売り上げに対して、成長率を考える- 来年度の売り上げを商品別に分解して、商品ごとにどのくらいになるのかを考える
- 来年度の売り上げを単価×客数に分解し、単価、客数ごとにどのくらいになるのかを考える
- ポイントとしては「対象を分解する」「分解した要素ごとに推測をする」
- できる範囲で分解して式にしてみよう
- 要素ごとに予測してみて積み上げることを心掛けよう
- 結果としての数字より、家庭のロジックと前提の共有のほうが大事
- 桁をずらさないことを心がけよう
- 結果の確認をし、振り返りをし、繰り返していくことが力になる
CHAPTER3 なぜそうなるのか「理由」を考えるLESSON9 安心して、次に進む
- 大体の問題は何なのかを押させる
- 見えている特徴(穴)を埋めるとどこまで回復するのかを確認する
- 安心して次に進むために一工夫しよう
- 問題個所を埋めて、どこまで回復するかを確認しよう
- 問題個所は複数ある場合があることを理解しておこう。分解をいつ止めていいかは、分解をした結果、見えてきた事象で起こっていることのすべてが説明できるかどうかで判断すればよい。
- 穴を埋めてみるアプローチは、率になっている場合にも効果がある
- 問題がある個所をのぞいてみるアプローチも心得ておこう。正しい状態であることをどう補ったらよいかがわからない場合、もしくはそこに仮の数字を置くことで全体の評価に影響を与えそうな場合には、「除いてみる」というアプローチができることも押させておく
LESSON10 事象の関係を分解する
- ここでの演習は、「残業が多い」「スキルアップの時間がない」「成果が出ない」という事象に対して関係性を述べるというもの
- ポイントは
- 事象を書き出す
- 時間軸であればどちらが先になりそうかを考える。どちらの可能性もあるのであれば、周辺情報を加え、どちらが妥当か判断する
- 複数の事象を図示化しよう。事象の関係性を可視化することは、下記を考えることの手助けになる。
- 図示化することは直線でも循環でも状況の理解を補助してくれる
- 本当にそこに関係性があるのかを疑おう。たまたま目につきやすい事象が起こり、そこに原因と結果の関係性がありそうな場合、そのように意味づけしてしまいがち。
- 逆の可能性もないかを考えよう
- 他の事象が共通で影響を及ぼしていないかも意識しよう
LESSON11 理由を根拠づける
- ここでの演習は、あなたはテーマパークを運営していて、入場者が伸びた理由をみつけるというもの。
- ポイントは
- 言いたいことそのものの評価
- 時間的な整合を押さえる。いつ発生したことなのかという時間に関するデータと、結果が実際にどう脳に変化したのかをデータで示せると良い
- 言いたいこと以外が影響していないことの確認。言いたいこと以外の要素が関係していないということをできる限り証明するようにする
- 原因を根拠づけるために数字を準備しよう
- 原因そのものの評価が必要
- 時間的に説明がつくかも重要
- それ以外の要素は関係していないか押さえておこう。一方で本来は難しい行為であることを理解しておこう。実際は複雑な要素が関係していた李、再現性の確認が難しい場合もあったり、そもそも誰も正解を知らないので。
LESSON12 未来に対して根拠を持つ
- ここでの演習は、新しいワークスタイルとして予測される「郊外に住む人が増える」からどんなことが予測できるかを2つのアプローチから考える
- ポイントは
- 理由を考えて、ほかの可能性を予測する
- 次に何が起こりそうかを考え、それをつなぐ
- 予測は難しい行為だが、納得感のある説明をできるようにしよう
アプローチは2つあるがどのように組み立ててその予測にたどり着いたかが重要
可能性は複数存在するので注意が必要- 納得感を得るためには可視化もしながら合意できている範囲を確認しよう
曖昧に進むのではなく、不安に思ったら合意できた起点から考え直そうCHAPTER4 何をすればいいのか「解決策」を考える
LESSON13 選択肢を出す
- ここでの演習は、リモートワークが定番化したことによる、コミュニケーションの改善
- ポイントは
- 思いつく解決策を一つではなく複数出す
対の概念を考える- 階層化して思いついたものを整理する
- 空いている個所を埋める
- 決め打ちにならないことが重要
- 思いついたものを起点に整理しよう
- 対の概念を意識することが手助けになる
- 大切なことはすべてを出すことではなく広げること
- どの概念を採用し、どちらを状にするかは考えやすさを基準にしよう。具体的なイメージが持てるものを先にし、抽象度が高い概念を後に持ってくるのがおすすめ
LESSON14 評価軸を出す
- ここでの演習は、前回に似ていてリモートワークが定番化したことによって、都心から離れた場所に住むかどうかという判断軸について
- ポイントは
- 思い付きでいいので気になる評価軸を洗い出す
- 加えなければならない評価軸はないかを考える
- 判断軸はまずは思い付きでもいいので出すこと。そのうえで追加しなければならないものを考えよう。基準は「軸」なので漏れなくというのは難しい。だから漏れていないかではなく、大切な要素を落としていないかという視点が大事。
- 組織では他者の基準を加えなければならない場合が多い。評価の関係者の基準も取り入れるべき。自分と他人の評価軸が違うという可能性を理解しつつ、そのうえで他者は何を大事にするかを考慮して評価軸を設定する。
- 基準は必ずしも等価ではない場合がある
- 基準にもいくつかの種類があることを理解しておこう
LESSON15 決め方を決める
- ポイントは
- 評価軸ごとに評価する
- 合計点を計算する
- 評価軸をどう定義するかをしっかり考えよう
- どう数値化するのか、重みづけも考える必要がある
- 決めるための決め方も複数ある
- 決めるための基準が必要な場合もある
- 決定木(decision tree)的なアプローチも知っておこう
LESSON16 決めるために準備する
- ポイントは
- 要素を洗い出す
- アンケートの取り方を考える
- ボリュームをチェックする
- 何問にするか、定量か定性か、何段階にするかといった視点がカギ
それらはそもそもの目的とやり方などの関係性で決まる- 業績にインパクトを与えられそうな要素を選択できるかがポイント
- ほかのデータとつなげて分析しよう
- 未来に対する意思を問う質問も設計しよう
CHAPTER5 上手く進めるための「工夫」を考える
LESSON17 2つの数字を意識する
- データが手元にあると早速分析に取り掛かりたくなる。だが先に見たほうがいいデータとそうではないものがある。データの森で迷子にならないために何に注意するべきか?
- ポイントは
- 結果系の数字なのか原因系の数字なのかを明らかにする
- 結果系の数字が先にあたって、何が起きているのかを確認する
- そのうえで原因系の数字と結果系の数字の関連性を調べる
- ここでの演習は、あなたは人事担当者で事業拡大に伴い採用者を増やさなければいけない。なぜ採用枠を増やすかについて一人当たりの面接回数、広告回数、内定率を得ることができた。原因を考えていくあたりにどういうことをしたらいいのか?
- 結果系と原因系の2つの数字を意識する。まず先に見るのは結果系の数字。そうすることによって、何が起こっているのかがより具体的になる。そしてそれを裏付けるデータを探しに行く。
- 結果系の数字の分解も怠らない。そのうえで原因系の数字を見て解釈しよう。
最初のデータはたまたまその状態であることを理解しよう。LESSON18 思考の軌跡を地図にする
- ここでの演習は、ある店舗のランチタイムの女性の売り上げが良くない。「コンビニに流れているのではないか」「お弁当派が増えたのではないか」「競合店ができたからではないか」と仮説を立ててみた。起こっている可能性が高いものはどれか。
- わかっていることの地図を書こう。人の思考の過程はいくつかの可能性を広げ、選択するということを繰り返して進んでいる。わかった情報をもとに原因を考えるということは重要である。実は変化がなかった情報も重要。
- 選ばなかった情報にも価値がある。どういう選択肢があり、どういう理由でその枝を選んだのかがわかるように全体像を意識する。
- 目の前の事象だけど判断しない。
- 少なくともどのようなストーリなのか分かるようにしよう。
- 量と時間のハードルを乗り越えて全体像を押さえよう。
LESSON19 メモを残しながら進む
- ポイント
- なぜ、そっちの道を選んだのか、その理由
- 選ばなかったほうがどのようになっているか
- メモを残すのは分岐点
- 選んだ理由を残そう
- 選ばなかった先に何があったかをメモに残そう
- 無意識に前提を置いて否かと自分に問いかけよう。見えない状況に乗って施行を進めていきたくなるが、知らず知らずのうちに前提を無意識において進めてしまうことがよくある。
- メモはすぐに役に立たないかもしれないが後のプロセスで役立つ。どういう流れで今の結論になっているのか、そこでおいていた前提は何なのか、選ばなかった枝は何なのかがわかるため軌道修正もしやすくなる。実際のビジネスにおいても、一直線に問題解決プロセスが最後まで流せるとは限らない。調べて分かった範囲で前提を置いて先に進み進んだ先で新たな情報がわかる。
LESSON20 起こったことから判断する
- ポイント
- 起こりえる事象をすべてあげる
- 起こった事象がどの程度発生するか数える
- 調べたい事象に当てはめる
- 事前確立を置いていられた情報をもとに確率を更新するというアプローチがある(ベイズ推定)。仮の確率を置き、得られた情報をもとに仮の確率を上書きしていくというアプローチは先が読めない中では有効。
- どういう場合があるか洗い出そう
- その中で該当するケースを確認しよう
- 全体の場合の数と該当するケースから確率を求めよう
- AIの背景にもある考え方で、狂的なアプローチなので覚えておこう
感想
これって、データ分析業務をはじめとして、多くの問題解決に適用できるものだとおもいました。とは言え、あんまり物珍しさはありませんでした。なんかの研修でそんなようなことを習った気がしますし、昔はやったロジカルシンキングみたいな本にも書いてありました。そういう意味で、王道であり、基礎中の基礎なのかもしれません。
これからはこういうのを人に教えられるようになるのが、一つ目指すところでしょう。
参考
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